図書だよりカテゴリー 5・6年生から

注文の多い料理店 イーハトーブ童話集

電信柱の男が月の夜を歩いているイラスト表紙

にじや月あかりからもらってきたおはなし

 鉄砲てっぽうをかついだふたりの紳士しんし山奥やまおくを歩いていました。風がいて、草や木がざわざわ。どうもはらがすいてきました。そこで見つけたのが「西洋料理店、山猫軒やまねこけん」の看板かんばん。家は立派りっぱな西洋づくり、ふたりは喜んで入りました。ずんずんすすむと、次から次へと何やら書いてあります。

 かみをととのえくつをぬいで、メガネやネクタイピンなどをはずす、用意しているクリームを全身にぬって、塩をもみこむこと…。

 ふたりはどうもあやしいことに気付きました。かぎあなからは青い目玉がギョロギョロ…。

 これは宮沢賢治みやざわけんじの『イーハトーブ童話集』にあるおはなしのひとつです。イーハトーブとは、宮沢賢治みやざわけんじの生まれた岩手のことをエスペラント語でいうのだそうです。童話集の他のおはなしや詩も、ぜひ読んでみてください。

2021年11月12日(大原寿美おおはらすみ

著者:宮沢賢治 作

出版社:岩波書店

ISBN: 978-4-00-114010-1