自由をさがして旅に出るふたり
ローニャは山賊の頭マッティスのむすめ。両親や山賊たちに囲まれて森の古い城に住んでいる。ローニャが生まれた時、城は落雷で真っ二つに割れ、片方にはマッティスたちが、反対側にはポルカ山賊が住み、長い間お互いにいがみ合ってきた。
大きくなったローニャは、城の外へ出て冒険の旅にでる。裂け目の向こうにいる誰か、それはポルカ山賊の息子ピルク。2人はすぐに仲良くなり、こっそり友情を深めていく。
争ってばかりいる親たちから逃げ出して、熊の洞穴に住む2人。食べ物を探すのは大変だけど、自分たちの力で生きていくのは楽しい。こどもたちがいなくなっておろおろする大人たちがだんだん変わっていく。はたして山賊たちはどんな決断をするのだろうか。
妖し鳥、灰色こびとが住む北欧のふしぎな世界、いろいろな森の音が聞こえてくる。あなたもこの中に入ってごらんよ。
2022年2月25日(村井由岐子)