身近な大人との心温まる交流
今から70年以上も前のお話。戦争が終わって1年が経ち、お父さんを亡くした小学5年のてつおは、お母さんのふるさと出雲で暮らしています。三人のこどもを育てるために働くお母さんを、いつも手伝っています。くらしを支えるため、てつおは新聞配達を始めることになり、毎日、新聞を配達しました。配達し終わると、みはらのおじいさんの家で新聞を読ませてもらうのです。「てっちゃん、しっかりべんきょうするんだよ」と励ましてくれるおじいさんとおばあさん。
やがておじいさんが亡くなり、それでもおばあさんが「読みにおいで」と言ってくれ、新聞を届けるてつお。実はそこには、おじいさんおばあさんのてつおへの温かい気持ちが隠されていたのです。
2021年8月13日(清水果子)