図書だよりカテゴリー 5・6年生から

ビルマの竪琴

琵琶のイラスト表紙

歌の素晴らしさ、戦争のおろかさ

 戦争の悲しさやおろかさ、平和の大切さ、隊員の友情を深く考えさせられます。

 さらにもう一つ、歌の力。歌には国境がないことに気づかされ感動します。

 第2次世界大戦の、ビルマ(現ミャンマー)での日本軍の一隊の、敗戦から捕虜ほりょとなり帰国の船上までをえがいた物語です。

 この隊は、時間さえあればいつも合唱をしていました。歌のおかげで苦しい時も元気がでるし退屈たいくつな時もまぎれる、メンバーは仲が良く、規律きりつも守られていました。

 こんなエピソードがあります。

 てきに包囲され絶体絶命の夜、気づいてないふりをするため「はにゅうの宿」を合唱していると、てきのイギリス兵達がこの歌の節を「ホーム・ホーム・スイート・スイート・ホーム」と歌い出しました。もともとイギリスの古い歌なのです。そして最後はてき味方なく大合唱になったのでした。

 紙面の都合で、歌以外の大切なことが書けません。みなさん各自読んでみてください。

2021年7月9日(益井博史ますいひろし

著者:竹山道雄 著 ; 山中冬児 さし絵

出版社:偕成社

ISBN: 9784036502103