おわりまで変わらないのは?
裕福な家庭の点子ちゃんは、空想好きでお芝居が得意です。忙しい両親に内緒で、養育係のアンダハトさんに連れられ、ぼろぼろの服を着て夜の橋の上でマッチ売りをしています。橋の向こう側では、友だちになったアントンが靴ひもを売っています。点子ちゃんは犬のピーフケと、アントンの家を訪ねて、アントンが小さなキッチンでじゃがいもの塩ゆでとかき卵のお料理を作り、病気のお母さんとの生活を支えていることを知ります。そんなふたりは、ある日、アンダハトさんがへんてこりんな図面を書いていることを知り……。
作者のエーリヒ・ケストナーは、豊かな想像力で思いやりのある点子ちゃんと勇敢で優しく正義感あふれるアントンのように、友情を大切に、分け隔てなく、お互いに協力しあって生きる社会の未来をみなさんに託しています。
2024年5月17日(松尾郁枝)