図書だよりカテゴリー 5・6年生から

秋 かこさとし

秋の空に落下傘が落ちていっているイラスト表紙

昭和19年、ぼくの秋

暑さが落ち着くと秋の気配ですね。秋といえば、紅葉こうよう、運動会、くりかき、トンボにコスモス…わたしには美味しくて出かけたくなる季節です。

今から79年前、昭和19年の秋はどんなだったでしょうか?その時18才だった少年が経験した秋のおはなしです。

アメリカと日本は戦争をしていました。小学生は家族とはなれて山奥やまおくへ、中学生は農家のお手伝い、高校生は兵器を作る工場で働いていたそうです。

戦争で資材を使うのでくぎ一本さえ買えず、食べ物にも不自由な毎日。そして普通ふつうに生きてきた人たちが自分の意志でなく、戦争という大きな力の前で無理やり人生を終えてしまいます。少年は戦争が終わってほしいと心から願いました。大人になった少年は子どもたちの本を500さつ以上書きます。そしてこの本は少年がくなった後に見つかり、出版されました。

2023年9月22日(松川まつかわともこ

著者:かこさとし 文・絵

出版社:講談社

ISBN: 978-4-06-523962-9