図書だよりカテゴリー 1・2年生から

なんにもおきないまほうのいちにち

本の表紙:女の子が木の枝にぶら下がっています。

いいかげん、ゲームをやめたらどう?

ぼくは、かあさんにゲームきをとり上げられた。こっそりとりかえしたけれど、森のぬまをわたっているときに、水の中におとしてしまった。

ゲームなしでどうする? したいことなんて、ゲームのほかになんにもないのに。

そのとき、目のまえにカタツムリのぎょうれつ。「そっちになにかおもしろいものあるの?」ときくと「うんあるよ」とカタツムリがこたえた。山みちをあるくと、キノコのにおいがして、きらきらかがやくじめんやシャワーのようなたいようのひかりがあった。そして、ぼくは、木にのぼったり、水たまりにとびこんだり、すべすべひかる石の中のきらきらしたせかいをのぞいたり、虫やことりを見つけたり…。こんなたのしいことを、どうしていままでしてこなかったんだろう?

たいくつなときにこそ、いろいろなものが、まほうのように見えてくるのかもしれませんね。

2023年9月15日(岸野昌子きしのまさこ

著者:ベアトリーチェ・アレマーニャ 作 ; 関口 英子 訳

出版社:ポリフォニープレス

ISBN: 978-4-9911685-2-9