からみあったヘラジカのツノ
ヘラジカという動物を知っていますか? 北米ではムースと呼ばれ、オスは平たい立派なツノを持っています。
この本の裏表紙に、一枚の写真が載っています。浅い川に、二頭のヘラジカのツノの骨がからみ合った状態で横たわっています。星野道夫さんという写真家が撮影した写真です。お話は、この写真をもとに作られました。
ある秋の日、たくさんのメスと群れで暮らしていたオスのヘラジカのもとに、一頭のオスのヘラジカがやってきました。もともと群れにいたオスのヘラジカは、よそものを追い払うために、一頭でいたオスのヘラジカは、メスを自分のものにするために、ツノを突き合わせて激しい戦いが始まります。
「ガキッ!」という音がして、二頭のツノがからみあい、身動きがとれなくなってしまいました。そこへ、疲れ果てた二頭を狙う動物たちが現れます。
2023年2月24日(刈谷明子)