図書だよりカテゴリー 5・6年生から

カムイの大地 北海道と松浦武四郎

写真:厚着をした彫りの深い男性です。

アイヌの人々と共に

時代は江戸えどから明治へ移ろうとする幕末ばくまつ、ひとりの若者わかものがはるか北の大地をめざした。かれの名は、松浦武四郎まつうらたけしろう、全国を旅し、最北の地へと商人の船でたどり着いた。
そこは、えぞ地とばれており、先住民のアイヌの人々が、カムイ(神)をまつり、ゆたかならしを営んでいた。
ところが、その地のめぐみに目をつけた役人や商人たちが来るようになり、アイヌたちははげしい差別を受けていた。武四郎たけしろうは、この事実を広く知らせたいと、野帳と矢立て(メモ帳と筆)で刻明こくめいに記録をしながら、過酷かこくな自然の中を歩き続けた。アイヌの人々と交流を深め、アイヌの子どもホロケウがいつも一緒いっしょだった。

武四郎たけしろうの北への旅は数回におよび、後に「北海道」と名付けた。

絵本『北加伊道ほっかいどう松浦武四郎まつうらたけしろうのエゾ地探検たんけん~』(関屋敏隆せきやとしたか:文、型染かたぞめ版画 ポプラ社)には武四郎たけしろうの歩いた地図がくわしくかれているのであわせてどうぞ。

2023年11月10日(大原寿美おおはらすみ

著者:泉田もと 作

出版社:岩崎書店

ISBN: 978-4-265-84039-7