野をわたる風にのる 植物のたび

とんで、はじけて、くっついて

ある日、知り合いの洋服にみどり色の模様もようを見つけました。あらまぁ、その模様もようは植物の種たねでできていたのです。「どこでつけたのかなぁ？」。みなさんも同じような経験けいけんはないですか。

先週は電車の旅の本を紹介しょうかいしていました。今日は「タネの旅」についての本を紹介しょうかいします。

私わたしたちは自転車や車を使って自由に好すきな場所に行けますが、植物は自分で動くことができません。

春、タンポポのわた毛は風に乗ってふわふわと、夏、ホウセンカの種たねはパチンとはじけて、勢いきおいよくあちらこちらに飛とび散ちります。おいしそうに赤く色づいた秋の実は鳥たちが運びます。ページの中では、あちらこちらに、旅のお手伝てつだいをする虫や動物たちが忙いそがしそうにしています。まるで草むらに顔を近づけてのぞいているようです。 きみが拾ったドングリをポンっとなげた時、ほら、もう旅のお手伝てつだい。

2022年11月4日（山本祥子やまもとしょうこ）