ひとつのからだにねむるふたつのきもち
舞台は19世紀のロンドン。アタスン弁護士は友達であるリチャードといつものように散歩に出かけた。そこでリチャードは不思議な事件を口にする。
ある通りで若くて小さな男と少女が衝突した。すると、男は倒れている少女のからだをふんづけ、悲鳴をあげているのに、無視して行ってしまった。激怒する少女の家族に対し、つれもどされた男は悪く思う様子もなく、お金を払うと言う。そうして男の差し出した小切手の署名には、なんとアタスンの古い友達であるジキル博士の署名があった……!
どうしてこんな凶悪な男から、ジキル博士の名前が出るのか。不思議に思うアタスンは事件を追っていく
「人間は、善をおこなう心と、悪にひかれる心の両方を持っているのがふつうです。」物語の中の告白が、心に残ります。
2022年10月21日(烏田明穂)