アフリカに30年通ってわかったこと
人にとってあいさつは大切です。でも、動物たちの方があいさつをもっと大事にしているかもしれません。
ライオンのお母さんはこどもをよくなめます。少し大きくなるとこどももお母さんをなめるようになります。その時のうれしそうなお母さんの顔を見て、こどもはあいさつの意味を学んでいきます。ライオンのように群れで暮らす動物は、仲間と仲良くしなければ自然の中で生きていけません。だから仲間同士のあいさつは特に大切です。
狩った獲物をみんなで食べた後、興奮をしずめてくれるあいさつ。久しぶりに会った仲間との緊張をやわらげてくれるあいさつ。狩りに失敗して落ち込んでいる時も、仲間がなめてくれると元気になっていきます。あいさつを通して心と心が通い合うのです。
わたしはこんな心のこもったあいさつができているかな、と思わず考えてしまいました。
2021年5月28日(松川智子)