心温まるふれあい
当時、女性が乗ることは珍しかった自転車で、さっそうと通り過ぎる先生。
かつての教え子を思い出して涙ぐんでしまう、泣きみそ先生。
そんな先生と、瀬戸内海にある、みさきの小学校の12人のこどもたちとの物語です。
時代は、昭和3年から第二次世界大戦の終戦翌年の昭和21年頃。みさきの人たちは戦争の影を感じながら、貧しくもたくましくしたたかに生きぬいています。
分教場で1年生たちと過ごした日々。5年生になった教え子との本校での再会の日々。さらに終戦後、分教場のこどもたちの親になった、かつての教え子たちとの再会。これらの出来事を通して、温かいふれあいが描かれます
読みごたえのある本なので、夏休みや冬休みなどに読むのがいいと思います。
読み終えて何年か後に、日々を経ても変わらない大切な何かが深く心に残っていることに気づく、そういう物語です。
2020年12月18日(益井博史 )