図書だよりカテゴリー 3・4年生から

家をせおって歩く かんぜん版

小さな家が歩いている表紙のイラスト

表紙で「ん?」開いて「えー⁉ 」

 『家をせおって歩く』という題名を聞いて、あなたは何を思いかべますか?科学絵本好きの私は、てっきりカタツムリの写真絵本だと思いました。ところが何と、自分で作った家をせおって(かついで)歩いている人の本でした!
 そのちょうコンパクトな家の作者で住人、村上さんはアーティスト。持ち歩くため、家の材料ざいりょうは軽くて加工かこうしやすい発泡はっぽうスチロールを使っています。必要ひつような物は最小限。持ち物紹介しょうかいのページに、ネジから寝袋ねぶくろまで四十六品がイラストつきで紹介しょうかいされています。沢山たくさんの物を使って便利な生活を送っている私は、自分にとって本当にな物は何だろう、と考えてみました。

 さて、ずっと歩いているわけにはいきません。ねむるために、家をかせてもらう土地の持ち主と交渉こうしょうし、土地をりたらお風呂ふろやトイレをさがしに町に行きます。村上さんはそれを「間取り図」としていています。つまり「町全体を大きな家と考え」その町でくらすのです。「普段ふだんは知り合えない人たちに出会えること」が何より楽しいという村上さん、今はどこでくらしているのでしょうか。

2019年9月7日(田島たしま真紀まき

著者:村上慧 作

出版社:福音館書店

ISBN: 9784834084474