表紙で「ん?」開いて「えー⁉ 」
『家をせおって歩く』という題名を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?科学絵本好きの私は、てっきりカタツムリの写真絵本だと思いました。ところが何と、自分で作った家をせおって(かついで)歩いている人の本でした!
その超コンパクトな家の作者で住人、村上さんはアーティスト。持ち歩くため、家の材料は軽くて加工しやすい発泡スチロールを使っています。必要な物は最小限。持ち物紹介のページに、ネジから寝袋まで四十六品がイラストつきで紹介されています。沢山の物を使って便利な生活を送っている私は、自分にとって本当にな物は何だろう、と考えてみました。
さて、ずっと歩いている訳にはいきません。眠るために、家を置かせてもらう土地の持ち主と交渉し、土地を借りたらお風呂やトイレを探しに町に行きます。村上さんはそれを「間取り図」として描いています。つまり「町全体を大きな家と考え」その町でくらすのです。「普段は知り合えない人たちに出会えること」が何より楽しいという村上さん、今はどこでくらしているのでしょうか。
2019年9月7日(田島真紀)