見えるってどんな感じ?
窓の外で木葉が揺れ、風が吹いている、空は寒そうな色だな。これは見えるから思いをめぐらし想像できる世界です。
視覚支援学校に通う主人公双葉と佑。手でさわることで多くの情報を知り、見えている者よりも繊細で豊かな世界があることを教えてくれます。
見えないにとどまらず、上下左右の方向感覚を持ちにくい中、街を歩く勇気。白杖を使って点字ブロックの上を歩いているところ、じゃま者扱いを受け傷ついた双葉。一方、白杖を持つことで目が見えないと他者に知られることを心配する佑。ふたりが迷いながら一歩ずつ前にすすむ物語です。
いろいろな個性を持つ人々と、共に生きる社会を考えるためには、理解と関心を深めることが大切です。それがバリアを少しでも低くすることにつながります。
新しい年、広い世界を知るためにいろいろな本を開いてみませんか。
2024年1月12日(山本祥子)