いいかげん、ゲームをやめたらどう?
ぼくは、かあさんにゲームきをとり上げられた。こっそりとりかえしたけれど、森のぬまをわたっているときに、水の中におとしてしまった。
ゲームなしでどうする? したいことなんて、ゲームのほかになんにもないのに。
そのとき、目のまえにカタツムリのぎょうれつ。「そっちになにかおもしろいものあるの?」ときくと「うんあるよ」とカタツムリがこたえた。山みちをあるくと、キノコのにおいがして、きらきらかがやくじめんやシャワーのようなたいようのひかりがあった。そして、ぼくは、木にのぼったり、水たまりにとびこんだり、すべすべひかる石の中のきらきらしたせかいをのぞいたり、虫やことりを見つけたり…。こんなたのしいことを、どうしていままでしてこなかったんだろう?
たいくつなときにこそ、いろいろなものが、まほうのように見えてくるのかもしれませんね。
2023年9月15日(岸野昌子)