ほんのささいなことから
みなさんは、しょくぶつの“たね”をしっていますよね。いろいろな気もちをおこすきっかけも“たね”といいます。そう、どちらもはじまりは小さなものですね。
おとうさんがくたびれてかえってきたのに、いえでは犬やねこもくわわって、四人の子どもたちが大げんか。おまけに、じぶんのことはそっちのけで、けんかのげんいんをねえさんはおとうとへ、おとうとはいもうとへ、いもうとはもっと小さないもうとへと、つぎつぎとほかの子のせいにしてゆくしまつです。とうとうこの大げんかは、ねこのプッスがひっかいたのがはじまりということで、かたづいたようにもみえました。
でも、プッスだって、ひとりわるものにされたままじゃはらの虫がおさまりません。さらに、小さなネズミにつめよったのです。
ところが、このネズミのとっぴょうしもないこうどうがきっかけとなって……。
<ドミノたおし>を見ているようななりゆきに、さいごまで目がはなせません。
2022年10月14日(山中友子)