図書だよりカテゴリー 5・6年生から

ハンセン病を生きて きみたちに伝えたいこと

男の子が手に芽を持っているイラスト表紙

過去は、現在と未来の教科書

 6月20日から26日までは「ハンセン病を正しく理解する週間」です。みなさんは、ハンセン病を知っていますか? 

 ハンセン病は、「らいきん」という細きん感染かんせんして起きる病気で、伝性の病気ではありません。また、現代では感染かんせんすることや発病することもほとんどありません。では、これで「正しく理解する」ことになったでしょうか?

 病気が完治しているのにホテルから宿泊拒否しゅくはくきょひをされる事件がありました。おどろいたのは、ホテル側を支持する心無い手紙がたくさんとどいたことです。一方で、この事件について自ら話し合い行動を起こした中学生たちもいました。このちがいはどこにあるのでしょう?

 著者ちょしゃは、14さいで発病し、学びたい一心で沖縄の療養りょうよう所をだっ走しました。「差別や偏見へんけんは真実を知らないことから生まれる」、今の社会でも同じ過ちをり返さないためにぜひ読んでほしい1さつです。

2021年6月25日(宮田みやたあづさ)

著者:伊波敏男 著

出版社:岩波書店

ISBN: 978-4-00-500574-1