どっからこ すっからこ 風ふき山の物語
爺っちゃと山で暮らすコウイチ。夏は山へ牛を上げ、秋には里へおろして、牛育てを手伝っています。
ある時山からコウイチを呼ぶ声がしました。行ってみると大岩の上に大男が。「おら、おめのことはなんでも知ってるべ」親も友達もいないコウイチにとって山は楽しい場所ですが、時にあやしく、おそろしく、厳しいことも。どっから太郎はコウイチが鳥の雛をとろうとして木から落ちたことも知っていました。からかわれて真っ赤になりながら、コウイチは何とかうまく言い返せます。
それから森に入ると、木や動物たちが森のことをいろいろ教えてくれるようになりました。どっから太郎の不思議な笛のことも。風が強くふく日、コウイチは太郎に会いに行きました。
お互いが気になる、どっから太郎とコウイチ。風ふき山がコウイチの大切な場所になる予感がします。
2020年7月10日(松川智子)