竜はいると思いますか?
ちび竜は、水たまりで生まれた。じぶんがだれなのか? これからどうなるのか? わからなかった。
ちび竜は、水たまりをとびだして、たんぽぽのわたげにつかまり、空にまいあがった。とんぼは、とびかたをおしえてくれた。フナはウロコで水のひびきをかんじることを、もぐらは土のにおいをかぎわけることを教えてくれた。
ちび竜はぐんぐんでかくなった。いろいろなクンレンをして、なんでもできるチカラ・じんつうりきをみにつけた。雨、かぜ、くもをつくったり、火をはいたり、できるようになった。
そして、ちび竜はでか竜になって、うちゅうで、ひかるあおいちきゅうをだいている。
「ぼくは どこにでも いる。なににでも なる。そして かならず きみの…のなかにも いる!」。 きみは、竜にどこにいてほしい?
2020年6月5日(岸野昌子)