読書ボランティア養成講座【基礎講座】@四万十市役所

写真:スタッフ大木が絵本の読み聞かせをしています。

9月18日に令和5年度第1回目となる読書ボランティア養成講座を行いました。

会場は四万十市役所、施設の2階には四万十市立図書館のある複合施設です。

四万十市、宿毛市、四万十町で読み聞かせをされている方、四万十市立図書館の職員さん合わせて10名の方が参加してくださいました。

基礎講座編ということで、はじめは読み聞かせの聴く側を体験してしてもらおうと、『おやすみなさい、どうぶつたち』(潮出版社)を読みました。

この本は、動物たちが夜、どんな場所でどんな寝床で誰と眠るのかを優しく温かな絵とシンプルな文章で描いた絵本ですが、一匹で眠るキリンもいれば、目を開けて眠る魚もいて、小さい人向けのおやすみなさい絵本で出てきがちな「お母さんと赤ちゃん」とは違った視点で描かれています。

読み聞かせ経験者の方が多かったこともあり、読み聞かせはなぜ大切か、どんな本を読めばいいか、というテーマの話では、深く頷きながら聞いている方が多くいらっしゃいました。

また、絵本をペープサートや紙芝居に改編するには許諾が必要なこと、SNSで発信する場合の著作権について、意外と知らないけど実は読み聞かせのボランティア活動と関係している著作権の事例をご紹介しました。

後半は実践編ということで、参加者に本を配って、実際に持ち方やめくり方を確認してもらいながら、ペアで読み合いをしてもらいました。

事前に下読みをして、本の開きぐせをつけておく準備から、いざ本番。

写真:ボランティア同士で読み聞かせをしています。
写真:ボランティア同士で読み聞かせをしています。

子どもたちに読む機会は多くても、自分が読んでもらう経験は大人になるとなかなかありません。

写真:ボランティア同士で読み聞かせをしています。
写真:ボランティア同士で読み聞かせをしています。

また、第三者に聞いてもらう機会も限られているので、お互いに読み合った感想を伝えて、全体で共有すると、「読んでもらうのって楽しい」「他の大人に聞いてもらうのって緊張する」といった声が聞かれました。

写真:ボランティア同士で読み聞かせをしています。

最後は昔話について。

口承で伝わってきた昔話と、絵と文章で描かれた絵本の歴史と性質が、どのように違うのか。

グリム童話、イソップ物語、アンデルセン、日本の昔話、それぞれの起源はどこか。

どれが創作で、どれが口承文芸を聞き取ってまとめられたものか。

今一度整理をすることで、読み聞かせで一番大事とされている選書の参考になるといいなと思います。

最後は私の大好きな絵本、チェコの昔話『ヴォドニークの水の館』(BL出版)を読んで終わりにしたかったのですが、話が盛り上がって時間が足りず。

普段は別々の場所で活動されているボランティアの皆さんが集まり、学びを深めると同時に、交流と意見交換を行う貴重な機会をいただきました。

◆読書ボランティア養成講座について

学校や図書館でのおはなしボランティアや、各地域のブックスタートボランティアなどを行っている方、これからボランティアを始めたいと思っている方を対象にした大人のための読み聞かせ講座です。絵本の紹介や読み聞かせのノウハウをお伝えし、参加者同志の交流を通じてボランティアの輪を広げることを目的としています。高知県教育委員会から高知こどもの図書館が委託を受けて、2003年度より継続して実施している事業です。