アンパンマンの原点
NHK朝ドラ「あんぱん」のモデルになったやなせたかしさんが、弟との思い出をこめて作った18編の詩と絵をまとめた本です。
戦争で死んだ弟との思い出が、やなせさん自身と対比させながら優しい言葉でかかれています。
小さい頃は病気がちで成績も悪かった弟が、中学になって体が丈夫になり、成績も上がり、それまでと立場が逆転。その弟をじまんに思う気持ちと、ねたむ気持ちとでゆれながら、やっぱり弟が大好きということが伝わってきます。
18編のうち、弟が死んだ後の詩は4編。それを読むと、悲しみがどれだけ大きかったか想像できます。
今から80年前の日本は戦争をしていて、多くの尊い命が失われました。そして現在でも国外では戦争が起きており、大切な家族を失った人は大勢います。
弟を思う気持ちがアンパンマンにつながっていたのでしょう。
2025年7月25日(門田幹也)