神の使いハクトウワシ
白くかがやく頭と、とんがった黄色いくちばしを持つ大きなワシ。
アメリカ先住民族にとって神の使いでもあるハクトウワシは、1960年代に絶滅危機になりました。本格的な保護活動が行われ、農薬汚染などの環境問題が改善された結果、ハクトウワシの数は増え、今では絶滅危惧種の指定から解除されています。
この本は、動物写真家・前川貴行さんの、迫力ある写真絵本です。前川さんは、北大西洋の断崖絶壁でハクトウワシが子育てする様子を三カ月あまりもかけてとり続けました。何年も修復されながら使われている大きな巣で、厳しい寒さの中、えさを運ぶ親鳥。卵がかえり、巣立つ様子などを知ることもできます。海には氷山からクズれ落ちた氷の大きなかけらも見られます。
前川さんの写真絵本には、日本のシマフクロウやツキノワグマ、アフリカ・アジアなどの野性動物を撮影したものもあります。
2025年7月18日(河野郁乃)