くらしのすみのたからもの
おかのむこうの、きらめくかわのほとりにたつ、一けんのいえ。このいえで12人のこどもたちがうまれ、おとうさんとおかあさんをてつだいながら、たのしくくらしていました。
やがて、こどもたちは大きくなり、すだっていき、いえにすむ人はいなくなりました。
ながい年月がながれました。いえはふるくなり、ゆかはくさり、かべがみははがれ、どんどんいたんでいきました。
そのご、ひとりの女の人がこのいえを見つけ、かいとりました。ふるいいえの中からかべがみ、ノート、ハンカチ、カーテン、ようふくなどをとり出し、え本をつくりました。
え本の中にはのうじょうのくらしとかぞくのものがたりが、いえのざいりょうをちりばめながら、えがかれています。
もしかしたら、みなさんのそばにもこんないえがあるかもしれません。いまはただふるくなったいえに、きっとたいせつなものがたりがあるでしょう。
2025年6月27日(川﨑美恵子)