語り継がれるものがたり
ティキ・プーはとるにたらない小僧っこでしたが、ウィ・ウォニ先生のような素晴らしい絵を描きたい!と。昼も夜も、主人の目を盗んでは描き続けます。もっとうまくなりたい! 300年前の、伝説の巨匠ウィ・ウォニに教わりたい! ティキ・プーの思いはつのります。そんなある夜、不思議なことが……。
このお話は、100年前に、フェアリーテイル=おとぎ話のような物語として書かれました。それが時代を超え、世代を超えて、今、日本で、声に出して読むことを念頭に訳されました。
楽しいゆかいなお話ではありません。魂の奥深く「何かにあこがれ、つき動かされる思い」「美しいもの、善きものへの強い願い」が読む者の心にもわきおこるように思います。
みなさんも、この美しい本を手にとって、声に出してじっくり味わってみませんか。
2025年3月28日(深瀬尚子)