食欲の秋? 読書の秋! 哲学の秋!!
この本は11の短いお話からできています。そのうちの7つは、『こども哲学』シリーズ(全7巻)の付録として書かれた物語です。
哲学? なんだか難しそう。でも、物語のいくつかは、きっと君も経験したことのある出来事のはず。
好きな子の気持ちを先回りして考え過ぎて落ち込んだり、仲良しグループのことが「たまーに、ちょっとだけ、気のせいかもしれないけど」重く感じたり、「『面白いやつ』の自分」と、「『面白いやつ』になろうと必死な自分」の間で悩んだり……。
宿題でもないのについつい考えちゃうこと、宿題じゃないから正解も決まっていないことに、それぞれの物語の主人公は向き合っていきます。
作者は、哲学は「生きることを好きになるためのヒント」だと思っているそうです。この本から、君にとってのそんなヒントが見つかるとうれしいな。
2025年10月17日(高橋知佐)

