かげがないと かげふみもできん
夏休み、小学五年生の拓海は広島のおばあちゃんの家に来ています。近所にある児童館の図書室で本を読むひとりの女の子が気になりますが、いつの間にかいなくなっていました。
川遊びで、川の底からガラスびんや食器のかけら、ボタンなどを拾った拓海はそれが七、八十年も前のものだと知り、「平和記念資料館」へ調べに行きました。
女の子は雨の日に時々見かけますがすぐに消えています。ある日思いきって声をかけると「かげを探している」と言います……。
この本の作者朽木祥さんは被爆二世(原爆の被害をうけた親から生まれた子どもたちのこと)。世界中の平和を願いながら、ヒロシマの物語を書き続けています。
高知こどもの図書館では、11月16日に、朽木さんのお話の会を予定しています。詳しいことは図書館までお問い合わせください。
2024年8月9日(大原寿美)