イスラームの世界へ会いに
ゼーラおばあさんは、トルコのヤヌック村で大家族と暮らしています。木々の緑の豊かな村で、庭のむこうに広がる菜園ではトウモロコシや豆を育て、牛も飼っています。友人の誘いで娘と村を訪れた作者の新藤さんは、こどもたちが仲良くなったことで、たびたびおばあさんの家を訪れることになりました。いつもこどもの走り回る庭に大きなテーブルをだして、お茶やおかしでもてなしてくれます。
ある時、おばあさんからメッカにいったのよと聞いた新藤さんは、興味深々、メッカへの巡礼の話をききはじめます。メッカはイスラーム教の聖地。イスラーム教徒にとって大切な地です。イスラーム教のこと、巡礼のこと、トルコのこと…美しい蔓草や幾何学文様いっぱいの絵の中にいるおばあさんの姿を見ていると、すぐそばで語ってくれているような気持になりました。
2024年2月9日(辻恵子)