おはなしのおはなし
このせかいにはないどこかに、とてもなが生きのおじいさんがいました。タイプライターで「むかしあるところに」の文字をかくと、そのかみをもっていえを出ました。これからはじまるおはなしにぴったりのとちをさがして。
そして、おはなしをそだてるのには、もうしぶんのないばしょを見つけました。もっていたかみを、たねをまくように土にうめて、まい日水をあげました。
しばらくすると、ひょっこりと、めが出て、なん日もすぎたころには、はっぱがびっしりおいしげったりっぱな木になりました。はっぱは、かみでできていて、ぎっしりとおはなしがかかれています。そのおはなしのしゅじんこうたちがとび出していきます。おじいさんは、かみをたばねて本をつくりました。
こうして、生まれた本は、おじいさんのところをとびたち、ながいたびをして、みなさんのところにやってきます。
2023年2月10日(岸野昌子)