渡り鳥の旅のものがたり
夏になるとツバメが巣を作ったり、冬には川にカモが群れていたり。身近にいるけれど、どこから来てどこへ帰るのかよく知らなかった渡り鳥。この本は驚くほど長い距離を飛ぶオオソリハシシギのお話です。
3月のある日ハシシギは仲間と旅立ちます。南半球からアラスカへ向かうのです。空にしるしはありませんが、道は確かにあります。大昔から行き来していた道を交代で先頭になり6日間飛び続けます。途中日本の湿地でおなかを満たす群れも。(このごろは湿地が少なくなり、見つけるのが難しくなりました)夏のアラスカで子育てをし、冷たい風が吹き始めると今度はこどもも一緒に地球の反対側へ飛び立ちます。
渡り鳥に国境はありません。読んでいる間、自分もハシシギになって一緒に旅をしている気持になりました。人ではなく、渡り鳥の目から見る地球をぜひ感じてみてください。
2022年2月18日(松川智子)