さかさまにするとわかること
この本のよみかたはすこしかわっている。左にページをめくってよめば、しゅじんこうは「赤いほしのルビー」、本をさかさまにして右にページをめくれば、「青いほしのエメラ」がしゅじんこうになる。
となりあう二つのほしの人々は、それぞれしあわせにくらしていた。ところがしだいに二つのほしはなかがわるくなり、ついにはたたかいがはじまってしまう。ルビーの気もちでよむと、わるいのは青いほし。だけど本をさかさまにすると、赤いほしがわるい気がしてくる。どちらのほしの人々も「こどもたちにえがおをとりもどしたい。」とねがってたたかっているのに、たたかえばたたかうほどそれはとおくなってしまう。
二つのほしの人々はどうすればよかったのだろう? この本をさかさまにしてもう一どよめば、こたえがわかるかもしれない。きみが見つけたこたえをぜひ、ルビーとエメラにおしえてあげてほしい。
2021年9月24日(高橋知佐)