にわし(The Night Gardener)
しょう年ウィリアムのすむグリムロックどおりでは、よるのあいだにふしぎなできごとがおこっていました。あさになると、とおりの木が大きなふくろうのかたちにかりこまれていたのです。なにがおこったのでしょう。つぎのあさには、大きなネコの木。そのまたつぎの日には…。
ひとびとはおどろき、こころおどらせます。あさがおとずれるたびによろこびにつつまれるまちはなんだかうれしそう。でもなんのために、だれがつくったの?こんどはなにができるのかしら。そして、とうとうウィリアムにまよ中のとくべつな出あいがおとずれます。たかいはしごと大きなハサミをもったその人は。
ページをめくると、ひんやりとしたよるの空気がながれます。チョキチョキチョキ、シャキシャキシャキッとハサミの音もきこえてきます。よるにおこるできごとをめぐって、まちやひとびとのこころの中にひかりがさしこんでいくようなふしぎなおはなしです。
2021年7月23日(山本祥子)