命はひとつ。だけどひとりぼっちじゃない
いつもと変わりない朝だった。みずきは、同じ出版社で働いているお父さんとお母さん、中学2年生のお兄ちゃんと一緒に幸せな毎日を送っていた。
その日、授業を受けていたみずきのところへ、会社でお父さんが亡くなったという知らせが入った。想像もしていない過酷な現実に、涙も出てこない。今朝だって元気いっぱいで、にこにこ顔だったのに…。そのとき、彼女の時計はその時を境に動くのをやめてしまった。
心を閉ざして学校にも行けなくなったみずきは、夏休みに父の姉である摩耶さんが住むアメリカに一人で預けられる。言葉も伝わらない異国の地で、摩耶さんはみずきを「森の小学校」へと連れていく。そこでは虐待され、傷ついた野生の動物たちを保護していた。
大好きなお父さんを亡くしたみずきを救ったものとは…。
2021年5月7日(高知こどもの図書館応援隊 山下由夏)