自然の中でたくましく生きる家族
今から200年近く前のアメリカ。開拓者一家が自然の中でたくましく生きていく、実話をもとにした物話。新しい土地で、生活のすべてを自分たちの手で作り上げていく様子が、主人公のローラの視点から描かれている。
電気もガスも水道もない中で、井戸を掘るにも何日もかかったり、命がけであったことが印象に残っている。父さんが狩ってきた野生のウサギやライチョウを母さんがおいしく料理し、家族が笑いながら食卓を囲む。外は風が強くかったが、家の中は暖かい。満ち足りた幸せを感じる場面では、お金では手に入れることのできない大切なものがここにあるように感じた。
自分が小学生のころは夢中になって楽しく読んだが、今回読み返すとインディアンとのかかわりなど、当時のアメリカの問題にも触れられていることに気づいた。
皆さんに、大人になってもう一度読んでほしい一冊だ。
2020年6月26日(山下未来)