近くにいる外国人の暮らしを想像してみてね
6歳で移民になったナディの物語。イランで商売がうまくいかなくなった父は、知人の紹介で日本に出かせぎに行く決意をし、家族みんなで故国を出ることになった。
日本に来てからは両親は工場で働きづめで、日中はこども3人だけでアパートですごす。近所の人と出会ったら笑顔とおじぎをくりかえした。すると相手も笑顔になってくれるので、言葉が通じない不安が、少しやわらぐのだった。
周囲の人たちには親切にしてもらうことも多かったが「外国人だから…」と言われて悲しい思いをすることもあった。
ようやく通えるようになった学校では、習慣の違いに驚いたり、宗教上の理由からできないことを先生に相談しながら何とか乗り越えてきた。それでも自分自身を「イラン人でも日本人でもない」と悩んだ時期もあった。
タイトルは、ナディから私たちへの問いかけではないだろうか。
2020年5月22日(川﨑美恵子)