手紙って、会って話しているのとちがうきぶん
ひとりぐらしのじいちゃんがたおれたために、横浜から山口に家族で引っこして来たえり。
「思うようにやってみろ」と、じいちゃんから自分の畑をもらったが、雑草やケムシに苦労したり、せっかく実ったイチゴを鳥につつかれたり大変だ。でも、雑草も鳥も生きるために必死なんだって。じいちゃんは先まわってあれこれ言わないけれど、大切なことをおしえてくれる。
そんな毎日を親友のエミあてに手紙で書く。エミもネットで調べた情報や、学校のようすを知らせる。ふたりの悩みの種は、けんちゃんだ。不登校になった幼なじみのけんちゃんに、何とか元気になってもらいたいと心配するのだが…。
ありのままの自然としっかり向き合ううちに、えりはけんちゃんやほかの友達への見かたが少しずつ変わっていく。
2020年3月20日(川﨑美恵子)