ほんとに、もんだいないの?
あるあさ、どうぶつたちのすむまちに水があふれはじめました。たいしたことじゃあない、しんぱいにはおよばない、だいじょうぶだよ、どうぶつたちはそうおもいました。ただひとり、なにかいおうとしているものがいるのですが、だれも耳をかそうとしません。水は、ひたひたとふえていきます。ひたひたひた。ほんとうにだいじょうぶ?
よんでいて、ぎくりとしました。ああ、こういうことあるなぁ、なにかおかしい、だいしょうぶかな? と気づいているのに、たいしたことじゃない、そのうちなんとかなる、いまいそがしいし、などといいわけをして、おかしなことを見てみぬふり。
白くろのせんでかかれたどうぶつたちは、生き生きとうごきまわり、そしてかいわをしています。こまかくかきこまれたどうぶつやまちのようすをたのしみながら、じっくりゆっくり、みんなのこえに耳をかたむけてみてください。
2024年1月26日(雨宮智子)