図書だよりカテゴリー 3・4年生から

とったんは理学療法士

本の表紙:男の人が患者の足を持っています。その両端にいる女の子と男の子が様子を見ています。

ゆっくり、ゆーっくり

まゆのとったん(お父さん)は理学療法士りょうほうし市民しみん病院のリハビリセンターではたらいている。病気やけがで体の動きが不自由ふじゆうになってしまったひとが、もとの生活をとりもどせるよう手だすけをする仕事だ。休みの日でも夜中でも、救急きゅうきゅう患者かんじゃさんが来ると相談の電話が入る。まゆの誕生日祝たんじょうびいわいの日にも緊急きんきゅうで出かけてしまった。「とったんなんか、きらいだよ……」


 ある日、おばあちゃんがけがをしてとったんの病院に入院した。まゆはそこで、あせをふきながら患者かんじゃさんをささえるとったんの姿すがたを目にする。「ひとりひとりの患者かんじゃさんと、じっくりむきあって信頼しんらいしてもらう。」とったんが、前に話していたことを思い出す。病院でのとったんの仕事を見たことで、まゆは、リハビリをがんばる患者かんじゃさんやそれをささえるとったんと、理学療法士りょうほうしの仕事をほこらしく思うのだった。

2024年5月24日(川﨑美恵子かわさきみえこ

著者:茂木ちあき 作 ; 鈴木びんこ 絵

出版社:国土社

ISBN: 978-4-337-33664-3