図書だよりカテゴリー 1・2年生から

がっこうかっぱの生まれた日

本の表紙:かっぱと女の子が水の中で抱き合っています。

かっぱのコケマルとせんそうをかんがえる

おれはかっぱ。かっぱはとてもなが生きで、100さいをすぎて一人まえになったおれは小さないけにすみはじめた。にんげんの子どもがよくあそびにきた。ある日いけへとびこんできたのがちよだ。

ちよはそかいしてきていて、いじめられ、いけへなげこまれたくつをとろうとしたのだ。そかいというのはせんそうでばくだんがおとされる町から、子どもだけにげてくることだとちよはおしえてくれた。ちよは名まえのなかったおれにコケマルとつけてくれ、学校のことなんかはなしてくれてわらっていた。でもちよは、 ばくだんでおややおとうとがいなくなり、どこかへもらわれていった。

おれはおこった。大人の人げんはきらいだ。せんそうをして子どもをくるしめるから。おれはむねがつぶれそうになりながくながくねむった。

50年くらいたって、ついに、おれをおこすこえがした。先生とよばれる女の人が「コケマル」とよびかけてきたんだ。

2023年8月11日(弘末民代ひろすえたみよ

著者:山本悦子 作 ; 市居みか 絵

出版社:童心社

ISBN: 978-4-494-02079-9