かっぱのコケマルとせんそうをかんがえる
おれはかっぱ。かっぱはとてもなが生きで、100さいをすぎて一人まえになったおれは小さないけにすみはじめた。にんげんの子どもがよくあそびにきた。ある日いけへとびこんできたのがちよだ。
ちよはそかいしてきていて、いじめられ、いけへなげこまれたくつをとろうとしたのだ。そかいというのはせんそうでばくだんがおとされる町から、子どもだけにげてくることだとちよはおしえてくれた。ちよは名まえのなかったおれにコケマルとつけてくれ、学校のことなんかはなしてくれてわらっていた。でもちよは、 ばくだんでおややおとうとがいなくなり、どこかへもらわれていった。
おれはおこった。大人の人げんはきらいだ。せんそうをして子どもをくるしめるから。おれはむねがつぶれそうになりながくながくねむった。
50年くらいたって、ついに、おれをおこすこえがした。先生とよばれる女の人が「コケマル」とよびかけてきたんだ。
2023年8月11日(弘末民代)