名作古典にでてくるどうぶつの不思議なむかしばなし

昔むかしのそのむかし

　この本には、今よりはるか昔の時代に書かれた『古事記こじき』や『今昔物語集』などの中から集められた、動物が主人公の昔ばなし11話が収おさめられています。

　人間を化かす動物と言えば、狐きつねと狸たぬきが思い浮うかびますね。「きつねにつままれる」とか「たぬきねいり」という言葉もあります。でも化かすだけではなく、不思議ふしぎな力をもつ狐きつねの話を知っていますか。

　また、涙なみだを流した牛の秘密ひみつや虎とらと鮫さめのたたかいの結末けつまつ、知恵ちえを使った猿さるたちの話など、どの話も自然しぜんの中で生きる動物と近いところで生活していた、昔の人たちが書き残のこしたお話です。今も私わたしたちに身近な犬や猫ねこの昔むかしの話もあります。

　読みやすく現代げんだいの言葉で書かれているので、遠い時間をこえて昔の物語に出会えます。楽しい絵は高知の作家三本桂子みもとけいこさんの作です。

2021年11月26日（岡本富美おかもとふみ）