図書だよりカテゴリー 3・4年生から

ふつうに学校にいくふつうの日

町中に男の子が立っている表紙の画像

「ふつう」のなかに(かく)れているよ

 この本に出てくるふつうの男の子は、何もかもがふつうの毎日を()ごしていました。見る(ゆめ)も着ている服もふつう、考えていることだってふつうです。ふつうの毎日は、色で表すと(はい)色。この絵本も最初(さいしょ)の7ページは(はい)色で(えが)かれています。

 ところが、そこに全然(ぜんぜん)ふつうじゃない先生が出てくるのです。名前はギー先生。どんなところがふつうじゃないかというと、生徒(せいと)のことを「諸君(しょくん)」と()ぶし、何か不思議(ふしぎ)機械(きかい)を教室に持ってきたのです。それは蓄音機(ちくおんき)といって、円盤型(えんばんがた)のレコードをセットすると音楽が聞こえてくるのでした。ギー先生は、音楽を聞いて思いうかべたことを、「ことばでかいてくれるかな」と言います。

 ふつうの男の子は、ことばを使って、ふつうとはかけ(はな)れた、魔法(まほう)みたいに素晴(すば)らしいことをしてしまうのです。ふつうじゃないって、なんてすてき! と思わせてくれます。

2020年4月17日(刈谷明子かりやあきこ

著者:コリン・マクノートン 文 ; きたむらさとし 絵 ; 柴田元幸 訳

出版社:小峰書店

ISBN: 4338126345