図書だよりカテゴリー 3・4年生から

大草原の小さな家

自然(しぜん)の中でたくましく生きる家族

 今から200年近く前のアメリカ。開拓(かいたく)者一家が自然(しぜん)の中でたくましく生きていく、実話をもとにした物話。新しい土地で、生活のすべてを自分たちの手で作り上げていく様子が、主人公のローラの()点から(えが)かれている。

 電気もガスも水道もない中で、井戸(いど)()るにも何日もかかったり、命がけであったことが印象(いんしょう)(のこ)っている。父さんが()ってきた野生のウサギやライチョウを母さんがおいしく料理(りょうり)し、家族が(わら)いながら食卓(しょくたく)(かこ)む。外は風が強くかったが、家の中は(あたた)かい。()ち足りた幸せを感じる場面では、お金では手に入れることのできない大切なものがここにあるように感じた。

 自分が小学生のころは夢中(むちゅう)になって楽しく読んだが、今回読み返すとインディアンとのかかわりなど、当時のアメリカの問題にも()れられていることに気づいた。

 (みな)さんに、大人になってもう一度読んでほしい一(さつ)だ。

2020年6月26日(山下未来やましたみく

著者:ローラ・インガルス・ワイルダー 作 ; ガース・ウィリアムズ 画 ; 恩地三保子 訳

出版社:福音館書店

ISBN: 4834003566